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管理職のための戦略的ICT活用研修 事例4

ワークショップ

「学校改革にICTを生かす管理職のための戦略的ICT研修会」

主催 日本教育工学協会(JAET)および 富山県教育工学研究会
日時 平成21年2月14日(土) 午後2時30分~午後5時30分
場所 富山大学人間発達科学研究実践総合センター
講師 山西潤一(富山大学教授)
対象 校長・教頭・主幹・指導主事など学校運営にかかる管理的職務に従事する者
参加 富山市、高岡市、小矢部市の小学校・中学校の校長・教頭、教育委員会指導主事など 16名

14:30 ~ 14:40 (10min)

オリエンテーション

研修の目的や進め方を説明


演習1:教育の情報化、多様なICT活用

14:40 ~ 15:40 (60min)

講義:「教育の情報化の目指すもの」及び「組織的取組への戦略」

  • IT新改革戦略:教育の情報化の動向
  • 学校におけるICT環境の整備:達成目標と達成状況、地域間格差
  • 教員のICT活用指導力の現状:地域間格差
  • ICT活用と学力問題、情報活用能力と情報モラル
  • 教育の情報化推進と管理職の役割


  • 管理職として組織的に取り組むには
  • ビジョンを持つ。どんな学校にするのか、課題と解決プランを考える
  • 教職員の共通理解を促す組織づくり
  • 必要な予算の確保
  • 戦略的な指導力
管理職のための戦略的ICTコンテンツ総論(映像)をみる

講義や映像教材視聴で感じたこと
  • 教員にはとにかくICT研修を体験してもらうことが大事だと元々思っていたが、体験してもらうとき、教員がある程度納得してもらえるような話をすることの大切さを改めて感じた。 教育の情報化については、今まで「ICT活用」「情報教育」「校務」の3つを思っていたが、今回新たに「保護者・地域への広報・説明責任」も教育の情報化の1つに加えて考えていく必要があると思った(校長)
  • 校長や教頭を対象としたICT研修の場がないこと。初任教頭研修や校長研修で行うことが、もしかしたら可能かもしれないこと。管理職の意識改革のためにも重要であると感じた(管理主事)
  • 管理職として教育の情報化を推進していく際、「ビジョン」「組織づくり」「経費」の3つの観点を重視しなくてはならないことが、自分の中で整理された(校長)
  • イギリスのように努力したところに認定証がもらえるようなシステムはとてもいいと思った。いろいろなところで格差が広がっていくが、このような格差は必要だと思う(研究主事)
  • 身近な学習の中で参考にできそうな事例が紹介されているDVDを見ることができた。そのようなDVDを校内で視聴するだけでも研修になると思った(教頭)
  • トップの考え次第で、学校現場は大きく変わるので、管理職にこそ意識改革が必要である。日本では、管理職はむしろ、ICTを敬遠しているふうがまだまだ感じられる。管理職の中には、意識改革や研修の必要性を十分感じていながらも、今更聞けないこともたくさんあると思っている人も多いのでは…。情報をあまり得意としていない先生方も参加してみようと思える研修が必要(教頭)

演習2:改革への戦略

15:50 ~ 16:30 (40min)

作業:課題を共有し管理職としての戦略を考える

ワークシート項目1、2の記入
ワークシートの内容
1.実現したい課題
あなた自身が管理職として、あなたの学校(あるいは関係する教育機関)で取り組もうとしている問題は何ですか?
2.課題解決にICTが生かせるか
あなたの学校(あるいは関係する教育機関)では、問題の解決にICTはうまく活用されていますか?以下の項目に分けて
書いてください。
  • 各自、自分の学校の現状からくる課題と、その解決についてまとめる。

自分の学校の課題として考えたこと、また、その解決法として取り組んでいること、
これから取り組もうとしている点をもとに、グループ討論をし、グループとして課題を整理し、
どのように課題解決を行うかまとめる。
DVD映像教材各論編を必要に応じて視聴して解決の手がかりとする。

  • グループで課題や解決法をまとめる。関連するDVD映像教材各論編を視聴。
    解決の手がかりとする。

  • 各自のワークシートをもとに、グループで課題を整理する。
    学校ごとに課題や解決法も異なるが、似たようなものをまとめる。

  • 講師と意見交換しながら改革への戦略を考える。

グループ活動での感想
  • 研修の構成メンバーが小学校、高校、副校長、教頭、指導主事とバラエティに富んでいたためにおのおのの立場によって、ICTをどのように職員に指導していくのか互いに考えていくことができ有効であった(校長)
  • グループのメンバーみんな結構熱い議論ができうれしく感じました。自分も久しぶりに熱い討論に参加できました。まだ若さが残っているということでしょうか(校長)
  • 日常の校務をやりこなすことに精一杯だったが、久しぶりにこのような研修に参加し、先進的な動向を知ったり、それにかかわっておられる先生方の意欲に触れたりし、何か新鮮な思いがした(教頭)
  • ワークショップの時間が短いと感じた。今回のように自分たちのグループで話題をしぼって行うのはよい方法であると思うが、短時間で行う場合には、校務の情報化等にしぼって、どのグループも同じ話題で話し合うことで、後の発表がより生きてくるので、得られるものがさらに大きくなると感じた(管理主事)

16:30 ~ 17:15 (45min)

プレゼンテーションと討論

課題と課題解決の実現計画について、グループでまとめた結果をプレゼンし、
実現の可能性や問題点を議論する。

  • 校務情報化への意識啓発をセキュリティの観点からまとめて
    改革案を発表

  • 教員の意識に温度差があり、それをどのようにまとめていくか、
    改革への戦略を発表


まとめと今後の課題

17:20 ~ 17:30

まとめと今後の課題(レポート・宿題など)

講師による研修のまとめ。国の施策や地域課題を絶えず把握し、自分の学校の問題を明らかにして、改革への戦略を練ることの重要性を改めて強調。ベストな回答はない。ベターな回答を求めて、教職員一丸となって改革へのたゆまぬ努力を続けることが、管理職の役割。

宿題として、「今回の研修の体験から得た知識やアイデアをもとに、管理職として、今後どのような問題に焦点を当て、取り組んでいくのか。長期的な計画と短期的な計画について簡単にまとめる」「今回の研修を受けての感想」が課された。

レポート課題
2.今回の研修を体験から得た知識やアイデアを基にして、あなたは、管理職として、これからどのような問題に焦点化して取り組めそうに思いますか。長期的な計画と短期的な計画について簡単に書いて下さい。

長期的計画:(例)
  • 実物投影機とプロジェクターなどの機器を教室に常置し、教師も子どもも必要なときに自由に使える環境を整備する(校長)
  • 朝礼や会議の回数を減らすために、伝達事項を電子媒体で各教員が自分の都合のよい時間に見られるようにする(教頭)
  • ICT機器の特性を理解して、授業に活用できる教員を増やしたい(指導主事)
  • 校務システム、授業システムをきちんと構築し、学校の生活の中で情報化が溶け込むようにする。ICT、ICTと声を上げなくても、当たり前のように組み込まれているようにする(研究主事)
  • 管理職が情報教育の充実に向けて共通理解し、同ベクトルに向くようにする。また、共通理解事項を提案し、学校全体の取り組みとして共通理解する(教頭)

短期的計画:(例)
  • ICT活用に関して、校内の全ての教師が実物投影機を使って授業をするのが当然といった意識をもつようにする(校長)
  • セキュリティに対する不安が大きい。もっと厳しく指導する必要がある(校長)
  • 校内研修の充実、校務処理の方法、授業での活用(指導主事)
  • 内部講師、外部講師を依頼し、支援する環境をつくる(教頭)
  • 教育計画、指導計画等に情報機器利用を組み込み、成果の確認をする(教頭)
  • 効果的な使い方、利用場面について紹介するとともに、資料等のデーターベース化を図る(教頭)
  • 小規模校であるので、「いいこと見つけ」を全校規模で実施し、通知表の作成や保護者会での面談に役立てる(教頭)
3.その問題解決にICTをどのように活用できそうですか、そのために、何を準備し、どのように運用していけばいいと考えますか。VISION,組織、経費などの関連を考えて、レポートして下さい。


研修会の全体に関する印象・感想
  • 現場の校長の中で全くICTに対して理解のない方がいる現状もある。このような管理職向けの研修会を、すぐに実施することが大切だと思う。これまでのやってきたことや現在やっていることを紹介していただいたのが、参考になった。もう少し時間があれば、詳しく聞けてよかったと思う(校長)
  • 学校経営のあり方、ICTの有効性、ICTを学校に導入していく方策など、再認識することができた。一緒に協議したどの管理職も同じような悩みを持っていることが分かり、情報を共有しあうことができ有益な時間を持つことができた(校長)
  • 管理職になってからの研修では遅いのかも知れない。そういった意味でも、管理職養成の研修の中に取り入れ、管理職になるための条件の1つとなれば良いのかも知れないと思った(指導主事)
  • こんな研修の場をもっと広げてほしい。メディア活用、校務情報化での全体指導が怖くて近寄れない管理職が多いのではないかと思います(校長)
  • 教育の情報化に対して、管理職自身がもっと推し進め、校内での研修の推進者となるべきである(校長)
  • 現状や課題を出し合い、討論するには全然時間が足りないように思った。とかく研修に時間ばかりをかけがちなわたしたちは、時間を区切ってテンポよく進められる研修のやり方を参考にしたい(教頭)
  • いろいろな校種や立場の先生方のお話が聞け、自分の現状を振り返るいい機会であり、刺激になった(教頭)

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